樋口佳絵インタビュー of New Site 3

名称未設定-7.png インターネットのちいさな画廊「こぐま画廊」

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Interview Vol.1 樋口佳絵

2012-07-05

リード

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■仙台での展示は久しぶり?
□そうですね、ほぼ七年ぶり。数えてみたら七年ぶりでした。

■久しぶりに地元で開催するっていうのは、どうですか?
単純にちょっとワクワクしています。

■七年の間に、東京で、しかもメジャーな画廊さんで開催してきて、改めて地元でやるっていうのはどうですか?
□七年間仙台ではほとんど活動していないので、覚えていてくれる人がいるのかな、みたいな。その心配の方があります。
仙台で個展をさせていただいていた時は、年に2回位展示をして、そのほかにグループ展にも参加していたので継続して見て下さる方がいたんです。それで、徐々に見に来て下さる方が増えていたので、不安というのはあまりなかったのですが、今回は久しぶりの開催なので、誰も見てくれなかったらどうしようと、、、それが一番心配ですね。
あとは、前々から長く見てくださっている方に久しぶりに見ていただけるってことは、どれだけ私が変わったかなという気持ちで見に来られる方もいらっしゃると思うので、どれだけその期待に応えられるかなと。

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■仙台で定期的に開催していた時から七年たって、自分ではどういうところが変わったと?
□私自身は自分自身の変化はわからないですね。テーマなどはあんまり変わってないんですよ。
制作の中でいつもちょっとずつ自分では成長しているつもりなのですが、じゃあ何が変わったかといわれると、外から見たときは変わってないかも知れません。なので、見てくださる方がどう思われるのか、変わったかな、変わってないかはその方が感じていただければ、と。

■むしろ定点観測というか以前やったところでやって、自分がどう変わったか再確認するみたいな?
□そうですね、逆に私がそれを感じさせてもらえる機会でもあります。

■今回の作品は何点?
□版画を含めて13点、それに子供たちの顔がたくさんあるインスタレーションを1つの作品として、あとドローイングを加えると、、、16点くらいです。

■作品は今回の個展のために制作された?
□2011年に制作したもので仙台では未発表のものと、プラス今回の為の新しい作品です。


■で子供の顔?
最初は1個しかなかったんです。顔の形に切り抜いた台に顔を描いたら面白いかなと思って、立体と平面の絵の中間のようなものが作りたいなと思って始めたんです。だけれど、1個描いたらこれは型だけ一緒で色々顔を描いたら面白いんじゃないかと思って、増やしてみました。ベースの雛形をつくって、そこに顔を描いたら 見事にみんな違う顔になって個性がでてきて。
基本の形は同じで、当たり前ですけれど、目や鼻、口と言った同じパーツが入っているんですけれど個性が出てくるんだなーと。制服も同じような感じですよね。制服を着て、ひとつのフォーマットにはまっていながら結局は個性が出るというか。そこが面白いなって。
なんか作っているうちにもっと”ねちねちと続けて”100人くらい、言い方変ですね(笑)”こつこつ続けて”いって100人くらいに。2~3人より面白さが全然増えるんです。なので、「ともだち100人計画」と勝手にプロジェクト作ってみたんです。100人これから増やしますってことで。

■今回は20人?
□今回はとりあえず20人です。そして、お買い上げいただいた方に家族みたいな気持ちで迎えて頂けるよう、名前と生年月日を考えていただくんです。。

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■それぞれの表情に込めたものは?次の子はこんな感じ、次の子は、って順番に決めていくものですか?
□5人くらいまではただなんとなくな増殖傾向だったんですけれど、これは100人に増やしてみようと思ったときに、そんなに顔は違くなるかな、とも思ったんですが。でも、意外に淡々と同じような気持ちで描いていても違う顔になって来るものでした。なので、あえて振らなくちゃみたいな気持ちもないかな。

■あえて振り幅を広げなくても描いているうちに自然と個性が出てしまう?
□そうですね。私が描いているので、基本的には似てる子かもしれないけれど、でも描いてるうちに、この子生意気そうとか、この子悪いこと思いついちゃってるよねとか、気が弱そうとか。できあがいくていくうちに雰囲気か出てきて、私も「えー、こんな子なんだ」と。だから名前や誕生日があってもいいかもって思いはじめました。

■自分の絵を会場で見せるということと、ネット上で見せるってことは当然違うと思うんですが、その違いというのはどういう風に思っていますか?
□なんでもですけど、いいことも悪いこともあるし、、、、

■いいところは?
□いいところは、時と場所を選ばずに敷居が低く誰でも参加できること。もっと、絵に関係ない見慣れてる人たちじゃない人たちにも見てもらいたいと思っているので。ネットだと敷居が低くて幅広くいろんな人がポンポンクリックすることで、簡単に見られること。そして、絵って買えるんだって事も知って貰える。絵って買えるものじゃないと思っている人たちも多いと思います。洋服とか、家の中に花やタペストリー飾ったり、家具とか。ふつうの暮らしを楽しくするためのものの、それと同じ感覚の中に絵があったらいいなと思うんです。

■悪い点は?
□悪い点っていうか、残念な点は、絵の質感を感じられないこと。私はその点をすごく重要視していて、カサカサした画面だったり、あと白っぽい画面が多いから画像では上手くでなくて。それは印刷物もですけど、、実際見ることとの違いはあるかな。

■大きさも?
□そう、大きさもですね。実施絵を目の前にした時の雰囲気というのはどうしても違うかな。
私もネットでお買い物をよくするんですが、実際取り寄せてみて、あらら?ちょっと違うなという時もよくあります。よい伝わりかたをしているならいいけど、そうじゃないとちょっともったいないかなという、そこが残念な点かな
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■今回ネットと会場とあるのは?ネットで見た人ができれば実際の会場に来てもらって?
□そうですね、両方味わっていただければっていうのはありますね。

■7年間ぶりってことですがその間いろいろな出来事はありましたが、特に震災を経験したっていうのは、作品に影響はありましたか?
□ないことはなくて、たぶん今回の出来事はとても大きくて、気持ちの中に大きく変化もあったかと思うんです。色々考えさせられることも多いし。でも、まだその変化を取りこんでる最中、それが絵に影響してくるのは、きっともっともっと先の気がしますね。私にとってその出来事は、やっと身体の中に入ってきたばかりで、今から消化されて、血とか骨とかになっていつかそれがアウトプットするのではと思うんです。なので、まだ絵には影響はないのではと思うんですが。

■震災を受けて様々なアーティストが「こんなことをしていていいのだろうか」と思ったという話がありますが樋口さんはそう感じたことはありましたか?
□震災の直後、騒然としてるときは普通の生活自体がむずかしくて。あの時はみんなの今困っていることを助けた方がいいと思って、猫の保護とか近所の人のお手伝いやボランティアセンターいったりしました。でも、じゃあその後、絵を描いて、そんなことをしている場合ではないかというと、それよりは、生活を元に戻して、基盤をしっかり立て直して力をつけたほうが良いかもと。即効性のあることばかりがお手伝いではないと思うし。自分の仕事をしつつ、私は絵を描くのが仕事なのでそれをしっかりやりながら、さらに手助けをするのがベストだと思う。そして、もちろん絵でも見てくれた人になにか心の芯を支えられるような仕事して。とはいっても、具体的に絵自体を見て直接ナニナニの社会問題をテーマに描いていますという絵では無いので、直接震災支援の絵では無くて、じんわりと漢方のような絵で。私はじんわりとした感じに効果が出る方が長続きするような気がするので、そんなじんわりな絵で。出来事のエッセンスを抽出するのに私は時間がかかるだろうから、何年後かに地震のことかもって影響が感じられるものに変わっていくんじゃないかと。

■こぐま画廊に期待することは?
□すごくわくわくしていています。仙台に今まで無いスタイルだと思うので、楽しみです。たまに仙台ダメじゃない、といわれることもあったりするし、なので是非仙台を素敵な街になるようひっぱって欲しいです。ギャラリーが仙台はすごく少ないと思うので、弱いかなと。いいギャラリーだなって思ってもすぐに無くなったところも多くって。その点でも。そして、何よりアートが身近な存在だっていうのを伝えていってもらえたらなと思います。



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